能力者の放課後能力者の放課後
どうやら杜子春様のブログらしい。三日坊主だけどな!
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世界には取り返しのつかないことが多すぎる
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世界には取り返しのつかないことが多すぎる
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マサ兄とは毎回毎回会うたび会うたび戯れのようにどつき合いをやらかしたりだとか、家の周りのやかましいゾッキーに二人でケンカ売りに行ったりだとか、2ケツして港に行って、海を見ながらぼーっとしてたりだとか、そういうことを色々してた。
そういう日々が毎日続いて、俺も地元のバカ高に入るんじゃあないかねえ、と薄々考えていた。
バカな話だ。バカなりに楽しかった。
人間にもゴーストにも俺たちの敵なんて居やしねえ。そう考えてた。
最近できたマサ兄の新しいカノジョとも良くやれる。俺はそう思ってた。
マサ兄だってすげえいい女だって言ってた。なのにお袋といい、女って奴は・・・そのわがままで俺の時間をブチ壊さないと気がすまないらしい。
久々に真面目に行った学校から帰ってきてみれば、家にマサ兄のカノジョから「話がある」と留守電が入っていた。
そしてマサ兄のマンションに呼び出された俺が見たものは、赤く広がる血の海だった。
「・・・どんな冗談だよ、これ。」
俺じゃなくても笑っただろう。
胴体が半分ないも同然なヒトガタが転がってるんだから。
内臓は殆ど食いつくされ、一部が食いカスみたいに肉片として転がっている。
他の部分も損壊がひどすぎる。なんだよこれ。
食べて数時間は経っている給食がせりあがってくる。
げうっ、と喉が鳴る。全て吐き散らしそうだ。
俺はべっとりと付着した血と肉片に塗れたヒトガタを確認せざるをえなかった。
最悪の可能性、ありえない確率、降水確率0%の土砂降りの日。
黄色い髪でバス停をもった男。
そいつが誰だか認識した時には、俺は見苦しく体を折って胃の内容物を全て吐き散らかしていた。
「信じられるものか」
マサ兄だったもののどんよりと曇った目がそんな表情で俺をみている。
俺だって信じられるものか。
姐さんはどんな話をするつもりだったってんだ。最悪だ。最低だ。
飛び切りイカレてやがる。くたばっちまえ
けたたましく笑い声を上げて、血と自分の吐瀉物に脚をとられて転ぶ。
壁に頭を打ち付けて漸く気づいた。
馬鹿馬鹿しい!なぜ最初に気づかなかった。
―こんな殺し方はヒトがするもんじゃあねえ。
最近新調した刃の短いチェーンソー剣を長ランから引きずり出す。
何が居るかなんてもうわかってるだろう?そうさ、あいつだ。
「なあ、姐さんよ。心中にしちゃ悪趣味すぎやしねえか?」
俺の背後に生じていた気配に、振り向かずにたずねる。
「死に切れなかったんだろう?いや、それとも死ぬ気も無かった、と。文字通り食い物にしてはいサヨナラか?ついでとばかしに俺もつまみ食いする気だったたあいい根性だな・・・このクソアマ。」
言い切ると・・・俺は飛び切り無造作にリリスに切りかかっていた。
俺の意思と腕の動作一つでチェーンソーの刃が唸りを上げてリリスに食らい突く。
だれかさんの血で血みどろになっていた蛇が数本束ねてバッサリ飛び、金切り声が上がる。
頭に加わるダメージに頓着せずに壁の石膏ボードを浅く噛み砕きながら二の太刀を振るう。
速度の落ちた刃は彼女の頬を掠め醜い傷を残す。
反撃を覚悟して身構えたが、リリスは床に座り込み、わっと泣き出すだけだった。
「おい」
なにをしているんだ、この女は。
「あなたがやったの?」
女を再びみれば、そこにいるのはリリスでは無かった。
黒髪で大人しい風体のカノジョに間違いない
恐怖に震え、真っ青になった顔でこちらを見上げている。
「俺が?何言って・・・」
馬鹿なことを。そんな俺の言葉がさえぎられる。
「携帯で貴方を呼ぶように言われたから私は電話して、それからここに今来たのに・・・」
おかしい、狂ってる。
俺がやったような気になってくる。
だが俺になぜこんなことができる。
指が緩み、剣を取り落とした。
「おねがい、何だってするから命だけは・・・」
俺の制服に指がかかるが、抵抗はしなかった。
すがるような目で見上げられる。
確かに悔しいくらいいい女だ。誰が抗える?
されるがままゆるゆると抱きとめられ・・・体が締め付けられて軋みを上げだす。何がおきている。
「マジかよ。」
嘘つきが。
黒髪は蛇に変じていた。気づいたころには全身締め上げられた後だった。
自分の馬鹿さ加減がここまでだったとは。
リリスはうっとりした顔で俺の唇を奪い、牙を立て血を啜る。
絶妙な舌遣いと生命の危機に、なんともわかりやすい反応を返す俺の煩悩がうらめしい。
いやがおうにもほうっと上げてしまう喘ぎの度に、きりりと蛇が締まっていく。
制服の中にまで這い込み、ひやりとした感覚を与えるそいつがどうしても俺の冷静をすり減らす。
胸に密着するような状態で拘束された俺の手のひらには、柔らかな感覚。俺はそれに指を這わせて・・・腕に力を込めて向こうへ押し、同時にリリスの細長い舌を食いちぎった。
びちりと蛇が引き伸ばされて悲鳴を上げ、同時に激痛に悶絶したリリスが束縛を解除する。
「いい気分だが不義理はしないと決めてるもんでな。」
舌のカケラと血を唾液とともに吐き、それから剣を拾う。
俺の意識に呼応して再びチェーンが金切り声を上げはじめた。
俺になんの躊躇いがある?他にすることがどこにある?
俺は刃を振り上げると、リリスにばっさりと切りつける。
絶妙な軌道を描いた刃が肋間から進入しリリスの胸部を血とズタズタに裂けた肉の塊に変えた。
それっきりだ。
そんな簡単なことでこの女はくたばった。
俺の時間を全て叩き壊したにしちゃこんな死に様はあっけなさ過ぎる。
「おい、起きろよ。もちっと踊れやコラ。」
ぐしゃぐしゃになった屍を何度も何度も蹴りつけるも、返事はなにもない。
当然だ。なんてつまらねえ。
「あー、胸糞悪ィ。」
結局ここで得たものは全部消えた。結局何が残った?
何一つだ、結局何一つ残らなかった。
だからこんなところには最初っから来たかなかったんだ。
思い出も全て消えっちまえ。
みんな世界が「無かったこと」にしちまうなら、俺の記憶も消しちまえばいい。
そうさ、最初っからここには誰もいなかったってことにしてくれ。
―あ、そういや一度もマサ兄に勝ってねえなあ。
そんなことを考えながら返り血を洗う俺を見て、鏡の向こうで誰かがバカみてえに泣いていたから、思わず笑ってやった。馬鹿馬鹿しい。
そういう日々が毎日続いて、俺も地元のバカ高に入るんじゃあないかねえ、と薄々考えていた。
バカな話だ。バカなりに楽しかった。
人間にもゴーストにも俺たちの敵なんて居やしねえ。そう考えてた。
最近できたマサ兄の新しいカノジョとも良くやれる。俺はそう思ってた。
マサ兄だってすげえいい女だって言ってた。なのにお袋といい、女って奴は・・・そのわがままで俺の時間をブチ壊さないと気がすまないらしい。
久々に真面目に行った学校から帰ってきてみれば、家にマサ兄のカノジョから「話がある」と留守電が入っていた。
そしてマサ兄のマンションに呼び出された俺が見たものは、赤く広がる血の海だった。
「・・・どんな冗談だよ、これ。」
俺じゃなくても笑っただろう。
胴体が半分ないも同然なヒトガタが転がってるんだから。
内臓は殆ど食いつくされ、一部が食いカスみたいに肉片として転がっている。
他の部分も損壊がひどすぎる。なんだよこれ。
食べて数時間は経っている給食がせりあがってくる。
げうっ、と喉が鳴る。全て吐き散らしそうだ。
俺はべっとりと付着した血と肉片に塗れたヒトガタを確認せざるをえなかった。
最悪の可能性、ありえない確率、降水確率0%の土砂降りの日。
黄色い髪でバス停をもった男。
そいつが誰だか認識した時には、俺は見苦しく体を折って胃の内容物を全て吐き散らかしていた。
「信じられるものか」
マサ兄だったもののどんよりと曇った目がそんな表情で俺をみている。
俺だって信じられるものか。
姐さんはどんな話をするつもりだったってんだ。最悪だ。最低だ。
飛び切りイカレてやがる。くたばっちまえ
けたたましく笑い声を上げて、血と自分の吐瀉物に脚をとられて転ぶ。
壁に頭を打ち付けて漸く気づいた。
馬鹿馬鹿しい!なぜ最初に気づかなかった。
―こんな殺し方はヒトがするもんじゃあねえ。
最近新調した刃の短いチェーンソー剣を長ランから引きずり出す。
何が居るかなんてもうわかってるだろう?そうさ、あいつだ。
「なあ、姐さんよ。心中にしちゃ悪趣味すぎやしねえか?」
俺の背後に生じていた気配に、振り向かずにたずねる。
「死に切れなかったんだろう?いや、それとも死ぬ気も無かった、と。文字通り食い物にしてはいサヨナラか?ついでとばかしに俺もつまみ食いする気だったたあいい根性だな・・・このクソアマ。」
言い切ると・・・俺は飛び切り無造作にリリスに切りかかっていた。
俺の意思と腕の動作一つでチェーンソーの刃が唸りを上げてリリスに食らい突く。
だれかさんの血で血みどろになっていた蛇が数本束ねてバッサリ飛び、金切り声が上がる。
頭に加わるダメージに頓着せずに壁の石膏ボードを浅く噛み砕きながら二の太刀を振るう。
速度の落ちた刃は彼女の頬を掠め醜い傷を残す。
反撃を覚悟して身構えたが、リリスは床に座り込み、わっと泣き出すだけだった。
「おい」
なにをしているんだ、この女は。
「あなたがやったの?」
女を再びみれば、そこにいるのはリリスでは無かった。
黒髪で大人しい風体のカノジョに間違いない
恐怖に震え、真っ青になった顔でこちらを見上げている。
「俺が?何言って・・・」
馬鹿なことを。そんな俺の言葉がさえぎられる。
「携帯で貴方を呼ぶように言われたから私は電話して、それからここに今来たのに・・・」
おかしい、狂ってる。
俺がやったような気になってくる。
だが俺になぜこんなことができる。
指が緩み、剣を取り落とした。
「おねがい、何だってするから命だけは・・・」
俺の制服に指がかかるが、抵抗はしなかった。
すがるような目で見上げられる。
確かに悔しいくらいいい女だ。誰が抗える?
されるがままゆるゆると抱きとめられ・・・体が締め付けられて軋みを上げだす。何がおきている。
「マジかよ。」
嘘つきが。
黒髪は蛇に変じていた。気づいたころには全身締め上げられた後だった。
自分の馬鹿さ加減がここまでだったとは。
リリスはうっとりした顔で俺の唇を奪い、牙を立て血を啜る。
絶妙な舌遣いと生命の危機に、なんともわかりやすい反応を返す俺の煩悩がうらめしい。
いやがおうにもほうっと上げてしまう喘ぎの度に、きりりと蛇が締まっていく。
制服の中にまで這い込み、ひやりとした感覚を与えるそいつがどうしても俺の冷静をすり減らす。
胸に密着するような状態で拘束された俺の手のひらには、柔らかな感覚。俺はそれに指を這わせて・・・腕に力を込めて向こうへ押し、同時にリリスの細長い舌を食いちぎった。
びちりと蛇が引き伸ばされて悲鳴を上げ、同時に激痛に悶絶したリリスが束縛を解除する。
「いい気分だが不義理はしないと決めてるもんでな。」
舌のカケラと血を唾液とともに吐き、それから剣を拾う。
俺の意識に呼応して再びチェーンが金切り声を上げはじめた。
俺になんの躊躇いがある?他にすることがどこにある?
俺は刃を振り上げると、リリスにばっさりと切りつける。
絶妙な軌道を描いた刃が肋間から進入しリリスの胸部を血とズタズタに裂けた肉の塊に変えた。
それっきりだ。
そんな簡単なことでこの女はくたばった。
俺の時間を全て叩き壊したにしちゃこんな死に様はあっけなさ過ぎる。
「おい、起きろよ。もちっと踊れやコラ。」
ぐしゃぐしゃになった屍を何度も何度も蹴りつけるも、返事はなにもない。
当然だ。なんてつまらねえ。
「あー、胸糞悪ィ。」
結局ここで得たものは全部消えた。結局何が残った?
何一つだ、結局何一つ残らなかった。
だからこんなところには最初っから来たかなかったんだ。
思い出も全て消えっちまえ。
みんな世界が「無かったこと」にしちまうなら、俺の記憶も消しちまえばいい。
そうさ、最初っからここには誰もいなかったってことにしてくれ。
―あ、そういや一度もマサ兄に勝ってねえなあ。
そんなことを考えながら返り血を洗う俺を見て、鏡の向こうで誰かがバカみてえに泣いていたから、思わず笑ってやった。馬鹿馬鹿しい。
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