能力者の放課後能力者の放課後
どうやら杜子春様のブログらしい。三日坊主だけどな!
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俺は柄にもなく勉強などしている。
やりたいこともあるし、やらなけりゃならんこともあるし。
やりたいこともあるし、やらなけりゃならんこともあるし。
思えば在学中いろいろなことがあった。ありすぎた。
学園祭のライブにちょっかい出したらドラムスにスカウトされたり、
猫を拾ったら女の子だったり、
ぼやーっとしてたら好きな子がどこかに行ってしまったり、
秋刀魚を焼いたり、
バイクを買おうか悩んで結局金額で諦めたり、
プールのバイトで荒稼ぎしたり、
テストの点数に一喜一憂したり、
戦争でブッ殺したりブッ殺されたり。
それはそれで幸せで、ただそれがずっと続くような錯覚を覚えていた。
「なあ、みーすけ。」
返事はない。
地デジ未対応の小型テレビが深夜番組を垂れ流し、芸人の声だけが聞こえる。
あとはテレビの前の毛布で丸まって寝る子猫が一匹居るばかりだ。
12月の半ば。
推薦入試で高望みしすぎた俺は見事に足を掬われ、こうして赤本とにらめっこするハメになっている。
髪を黒く染めなおしてておけばよかっただなんて今更な話だ。
唐突に、誰かに相談したくなって携帯を取り上げ……電話帳の名前を見る。
しかし、『このうち後何人が、来年の今頃まで親しく話すんだろう。』とおもうと馬鹿馬鹿しくなってきたので布団の上に携帯を投げる。
すでにメモリの半分は、日ごろ話さない人間で埋まっている。
最初から自分で何とか決めやがれ。
昔からそうするようにいわれて、そうしてきた。
それにしたって俺はいろんなことを決めあぐねている。
能力者やめちまいたいような、そうじゃないような。
いままでのままでいいような、そうじゃないような。
夢がないってわけじゃなし、嫌なことがあるわけじゃなし。
手を止めて伸びをすると背骨が白々しく鳴る。
視線の向こうで窓に張り付いた結露が流れた。
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